手彩色石版画

山形県、福島県、栃木県道路写生帖

番号 25
タイトル 山形県庁ノ図
解説 山形県初代県令の三島通庸が整備した官庁街が、現在の七日町大通り(現山形銀行本店付近)から県庁舎を中心に描かれている。右側の建物は手前から警察本署、山形県師範学校、南山学校(附属小学校)、左側には山形警察署、(活版所)、南村山郡役所、勧業博物館、山形県勧業製糸場が描かれている。三層楼の県庁は1911(明治44)年5月8日の市北大火で焼失し、1916(大正5)年に再建された県庁舎は1984(昭和59)年に国の重要文化財に指定され、現在は山形県郷土館(文翔館)となっている。
高橋由一は油絵『山形市街図』(1881-82年頃、山形県蔵)を、石版画とほぼ同じ構図で描いているが、由一は山形県御用写真師の菊地新学が櫓を組んで撮影した写真をもとに制作している。明治期の近代化する山形を象徴するイメージである。